チャイニーズリンキングリングというマジックがある。
マジックを愛するものは皆、手に取り、愛するマジックだ。
なんの仕掛けも切れ目もない輪っかが繋がったり離れたりする不思議。
僕は小学生の時に初めてこのマジックに出会い練習した。
高校生の時にはダイバーノン(プロフェッサー)のシンフォニーという手順の6本組のセットを買ってそれを練習した。
北見に入門する段階で二種の手順は練習していた。いや、手順でいうともっと練習していたかもしれない。
北見のリングは5本を使うシンプルなものだ。
しかし色々な手が入ってて難しい。おまけに間やテンポ、呼吸などがその手順の中に組み込まれている。
随分と「あんたは下手だ」と言われたが、お陰で「だいぶ良くなった」とも言われた。
この手順にはかなり思い入れが強く目を瞑ってでも演じられるくらいだ。
その後、上口龍生さんにもシンフォニーを元にしたリンキングリングをお教えしていただいた。
そして極みつけにターベルコースの手順を習得した。
僕の手順はターベルコースを元にしてるけれど、北見の手、上口先生の手、そして自分の間とテンポが入ってる。
北見マキは若いころ、12本リングの名手であった松旭斎良子さんからその手順を習って演じていた。
僕が入門したときには「すっかり忘れちまったよ」と言っていた。
残念だった。
けれどそれでいい。
お陰様で僕の芸が出来たと思えばね。
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